Bleu Blanc
Bleu Blanc
25. dicembre 2012
Bleu Blanc, a wedding hall in the city of Okazaki, Aichi Prefecture, was designed by Suppose Design Office. With architecture as its base, Suppose Design has continued to offer new ways of thinking, designing, and forming relationships since it opened in 2000.
We asked the firm’s founder, Tanijiri Makoto, to tell us about the project.
正面から
プロジェクトの基本概念についてご説明下さい。
結婚式場とは、新郎新婦が一生に一度の体験をするための場所とも言えます。
その空間として私たちは、体験として記憶に残る場所を設計することを考えていました。
街のような待合で人々のコミュニケーションが生まれ、ファブリックの柔らかい空間に包まれたチャペルでの幻想的な体験、また自然の中で来場者と共に時間をすごすバンケットなど、ひとつの建物でありながらも場所によって体験をかえていくことで、この場所での時間の記憶を持ち帰ってもらえることを意識しながら設計をしました。
ガーデン
プロジェクトを引き受けることになった経緯についてご説明ください。
以前、広島でも同様の用途の建築を設計した経緯があり、それを誌面で見て頂き、相談を頂きました。実際に広島の事例も御覧頂き、その上で設計の依頼を頂きました。
チャペル
計画、設計された建築と実際に完成した作品との違いはありましたか? 問題解決するにあたって、困難だった点、工夫された点などがあれば教えて下さい。
計画と出来たものは、設計したもの以上に良い建築として完成しました。
問題としては敷地が傾斜地であったことや、工期が非常に短かったことなどから、設計上で施工方法の提案などを行うことで、諸問題をむしろ魅力へと変換させていくことを考えました。
具体的には高低差を利用した分棟配置による平面・断面計画を行うことによって、街のような待合、リゾートのような披露宴会場、神秘的なチャペルと、敷地の特性が空間をつくるきっかけを与えてくれました。
通常であれば造成工事が多大に発生するところも、造成を全く必要としない工法によって工期の短縮もはかることができました。
敷地の悪条件を個性として柔軟に受け入れた結果、この場所ならではの敷地と呼応する建築になったのではないかと思います。
バンケット1
これまでの作品と比較して、今回のプロジェクトはどのような違い、共通点がありますか?
これまでも内部と外部の関係性について様々なプロジェクトで考えてきましたが、このプロジェクトでは、それがより顕著に表れているかと思います。
内部でありながらも外部を感じることや、シンプルだけれど多様である、一見矛盾するところ、つまりはその中間にある概念が、良い意味で違和感を生み出し、人に心地よさや豊かさを提供できると思うのです。
そのような考え方はどんなプロジェクトであっても一貫して考え続けて来たことです。
バンケット2
設計にあたり、いつも気をつけていることや大事にしている点は何ですか?
いつも新しい建築をつくりたいと考えています。
それは現代におけるスタンダードなものは過去にイノベーションを続けて来たからこそ現代に引き継がれて来たわけで、だからこそ新しい建築を想像し続けることで、未来において残っていく建築の考え方をつくって行きたいと考えています。
ライトアップ
現代建築の流れの中で、今回のプロジェクトはどのような位置づけとお考えですか? サステイナビリティー、社会、環境、技術などの視点からお答え下さい。
建築の流れについてはよくわかりませんが、流れをつくって行くことができるような、そんな事務所でありたいと日頃から強く思っています。
1階平面図
2階平面図
3階平面図
聞き手:八木夕菜
Bleu Blanc
2011
愛知
発注者
株式会社ブラス
建築設計
サポーズデザインオフィス
広島
設計代表者
谷尻 誠
プロジェクトメンバー
島谷 将文、吉田 愛、椎野 将志
構造設計
オーノJAPAN
設備エンジニア
有限会社島津設計
照明デザイン
株式会社DAIKO、岡安照明設計事務所
施工会社
大和ハウス工業株式会社
テキスタイル
安東陽子デザイン
家具
株式会社E&Y
敷地面積
2897.61㎡
建築面積
1461.73㎡
延床面積
1994.79㎡
写真
矢野紀行