写真 © Hiroshi Ueda
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東嶺町の家

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場所
東京都, 日本
2004

山手線から周囲へと伸びる私鉄沿線にある住宅地の中に、この3世帯の集合型住宅はあります。計画はクライアントの指示によって「3階建てが可能であること」という条件に合う敷地を探す段階からスタートしました。法規制的に厳しい第1種低層住居専用地域での建築計画であり、建築ボリューム的にも日影制限等を受けることが予想されているため、敷地選定は非常に難航しました。当該敷地は北側6m道路という前出の条件的にも非常に目的に叶ったものであり、ボリューム検討を行った上での土地の購入、および設計開始となりました。

全体の機能として要求されたのは、4~5台駐車可能なパーキングスペース、各階で独立した住居体系を営めること、2階には LDKと2つの寝室が1フロアーにバリアフリーにて設計されること、かつ、無用に柱は大きくしたくないということ、そして、3階には十分な明るさをもつデッキスペースとそれに繋がるサブ住居スペースでありました。この全ての機能要求を叶えるために計画されたのが、鉄骨造による吊り構法でした。

この構法は、一列に並べられた主柱よりブレースによって吊り下げられた2階床・3階床を、周囲の壁面にて振れ止めとする構法で、この方法によって2階の室内には吊り下げている鉄骨のロッド(鉄の角棒、32mm 角)が見えるのみとなっています。これはサッシュの見つけ幅の約半分であり、ほとんど構造が存在してないような印象を与えることが可能となりました。また1階のパーキングスペース部分は吊り構造によって構造躯体は全く必要とならないため、予定通りの駐車スペースを確保することが出来ています。また建物の振れ止めとして計画された外周鉄骨柱は、そのまま外部を覆うガラススクリーンの支えとなり、都市住居として、しっかりとしたプライベート空間を確保するための重要な仕掛けとなっています。

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