東福寺涅槃堂
プロジェクト一覧に戻る- 場所
- 東京都渋谷区, 日本
- 年
- 2005
墓地の大改修とそれに伴う納骨堂の建立を目的として計画された。なによりも住職の、これからの仏教はもっと開かれなくてはいけないという問いかけが始まりとなっている。
この計画では四方4枚のPC壁が、地下1階から屋上まで貫通し、納骨箱の集積による空間が立ち上がっている。同時に、すべての空間が墓所以外の使い道をもっている。この貫通するPC壁が涅槃堂内で想定される様々な目的の中で道具として存在できないかと考え、全てのPCリブがクロス部分に、アンカー受ナットを埋め込んだ。また構成上では、4枚の壁を周遊する形で平面を配置し、外周の壁との幅の変化にあわせて要求される機能を配置した。
現在、東福寺では、檀信徒会が発足し、涅槃堂の今後の用いられ方について様々な提案がなされ始めている。墓所として存在するこの空間が、檀信徒の使用目的に応じて変化し続け、彼らの活動と共にあり続けることにおいて、この場所へ集まる人々へ、追悼のメッセージとなっていってほしい。