K – HOUSE
日本
集合住宅の一室を改装しました。
「キッチンをもっと使いやすく」という依頼から始まりましたが、次第に全体の改装へと発展していきました。
住宅のデザインは、住む人の生活に寄り添い、考え続けていくものです。
新しいキッチンを設計する際、部屋の壁を動かし、余裕のあるレイアウトになりました。空間の変更によって動線も自然と変わります。この家のダイニングには、仕事にも使う大きなテーブルがあり、キッチンとの間を収納で仕切っています。この収納は、家の中心的な存在になり、回遊動線を生み出し、生活に豊かさとアクセントを加えています。収納にあけられた小窓は、キッチンとダイニングの間の人の気配を感じさせる大きな役割を担っています。
天井の段差をなくすために取り付けたリズム感のあるルーバーが、ダイニングの空間を引き締めます。窓のまわりには、桟を裏側にした障子を使用して昼と夜で異なる景色を楽しむことができます。また、ダイニングからリビングにかけて延びる本棚が、各部屋をつなぎ、空間の一体感を生み出しています。ブナの木とオフホワイトを基調とした家具デザイン、ライトグレーの壁面は既存の家具と調和し、上品な雰囲気を醸し出しています。
キッチン、ダイニング、リビング、寝室など、各部屋のつながりと関係性がこの家の魅力であり、生活を紡ぐものとなっています。
この住宅は、ビンテージの椅子や照明器具など、既存の要素と新たに加えられたデザインが調和し、住む人のライフスタイルに寄り添いながら、より快適で美しい空間を作り出しています。