西有田町タウンセンター
佐賀, 日本
- 建築家
- NKS2 architects
- 年
- 2005
西有田町タウンセンターは基本的な役場機能に加えて町民ロビー、図書室という公民館的な機能を併せ持つ複合施設として考えられた。敷地は町の中央を南北に走る国道に面し、全体で約8mのレベル差がある。敷地形状に沿って1階を2つのレベルに分け、その上に均一な断面をもった2、3階部分を大屋根のように乗せている。
その大屋根は、南側に大きく解放された1階と北側の駐車場を覆っているが、建物の奥行きが深いため、採光、通風と駐車場からのアクセスのために5つのスリットを設けた。メインエントランスを除く4つのスリットにはクレーン状の構造体を収め、それが広く開放的な1階部分を支えている。階段室でもあるこのクレーンは半透明の膜で覆われており、昼間はそれがトップライトからの自然光を導き、夜になると行灯のように室内を照らす。
1階には開放的な空間が広がり、大屋根の中には閉鎖的な空間が設えられている。単純な断面構成の中にクレーンという異質な要素が入り双方の間を往き来できることで、様々な性格の違う場所を作り出した。こうした空間的な仕掛けが、合併や組織の変容に伴って今後変化していくであろう建物の使われ方に、可能性を広げてくれると考えている。
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