写真 © Kenya Chiba
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葉山の森に集う家

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場所
神奈川県葉山町, 日本
2022

集いの庭・アイデアの浮かぶ家

都市化が進み小さな家が立ち並ぶ海沿いの街に、エアポケットのようにぽっかりと緑豊かなサンクチュアリが残されていました。北にはライトの弟子、遠藤新設計の邸宅が広大な庭の木々の先にみえています。

コロナ禍もあり、クライアントは自宅で仕事ができる環境を希望されていました。また、東京の中心部から離れ、自然豊かな場所で家族やペットとのんびりと暮らしたいと考えていました。

私たちは4つの原則にもとづいて設計を進めました。
・家の一部に庭をつくるのではなく、森の中に家をつくる。
・それぞれに緑の風景がある、さまざまな快適な場所をつくる。
・世の中の喧騒を忘れ、「アイデアが浮かぶ家」をつくる。
・周辺の住宅や環境との適度な距離感をつくる。

計画地は、新しい住宅群と隣地に残る森の接点です。私たちは建物ではなく庭を中央に配し、北側隣地の広大な庭がそのまま続いているイメージをつくりました。そして、失われた緑の再生をおこない、緑の連続性が感じられることを意識しました。

敷地へと続く川沿いの道は木々と家に挟まれた細い路地、建築基準法外の道です。車は反対側の道路とは認められていない私道からアプローチします。こうした特殊な敷地条件を解きほぐすのに長い時間を要し、建築審査会の審査と許可を得て、住宅の建設が可能となりました。

「母屋」と「離れ(SOHO)」は、仕事場と生活場を分け、暮らしの中で自然にオン・オフが切り替わるように設計しています。そして、海のちかくながら山小屋を思わせる片流れの”主屋”、”離れ”、”ガレージ”の3棟を、周辺の住宅や環境から適切な距離をとりました。

1階を庭作業や夏の日陰となる半屋外のアウトドアリビング、2階を家族が過ごすインドアリビング、主屋には2つのリビングエリアをつくりました。そして、コーナーリビングや小上がり、アウトドアコーナーベンチなど、家族が様々に過ごせるそれぞれの居場所を各所に用意しました。

中庭に落ちる影を最小限に抑えるため、季節ごとに建物の配置に合わせた日影図を作成し、屋根勾配は庭に向かって下る様に計画。環境面からも日中は照明なしで自然光だけで暮らせるように計画しています。

お風呂で空を眺める、川をぼんやりと眺める、山の景色を眺める。ご主人がコンサルタントという仕事柄、リラックスして自然とアイデアが浮かぶような家を目指しました。

写真は完成直後ですが、今は芝や緑も落ち着き、BBQ、ハロウィン、クリスマスと、楽しいイベントが続いています。

設計チーム:
建築:teamSTAR®️
Creative Director/Architect 佐竹永太郎 (STAR)
Main Architect 佐治卓 (peak studio) 設計
Main Architect 小林佑輔 (STAR) 監理
Assistant 奥原香菜 (STAR)
Management 山田慎一郎 (Yamada Studio)

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