写真 © Yoshiharu Matsumura
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水上ギャラリーのある家

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場所
兵庫, 日本
2012

阪急西宮北口駅は阪神間の交通網の要であり、高級住宅街のイメージと大阪や神戸への利便性により、戦後急速に市街化が進展した。
近年では高層マンションが立ち並び、野球場の跡地である西宮ガーデンズの開業もあって、さらに多くの人で賑わう場所となった。
敷地はこの沿線ということもありファサードは人の視線や騒音を避けるため閉じたものとし、近隣にある兵庫県立芸術文化センターと同素材のコンクリート打ち放しとすることで、街並みに連帯感を持たせ杉型枠の意匠により街に温かみを与えるよう配慮した。
また、時の経過と共に、より深みのある佇まいへと移り変わるよう経年変化してゆくチタン鋼板、御影石など自然素材を取り入れた。
2世帯住宅であるこの家は南側に左右から2つのアプローチが伸び、片方は8m超える柱の連続が大木の間を通り抜けるような感覚にさせ、もう片方は壁と壁の隙間を通り、アプローチの上から玄関へ入ると9mもの吹き抜けが3層へ広がり、中庭から緑が出迎え陶器のルーバーが視線を空へと誘う。
3階にあるゲストルームの窓の外には水盤が広がりバウンドする光は室内へ水の揺らぎを映し出す。
また、コーナーのサッシは見付が20mmほどしかない大開口パノラマサッシとし外部と内部が心地よく繋がり、くつろぎのひと時を与えるだろう。

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